速さテキストの一部を抜粋しました。お読み下さい。
 前書 引用
本書のねらいは,いかにして速さの問題を極めるか,
です。・・省略 
文章の条件からグラフに起こす作業は慣れないうちは大変ですが
,それ以上にグラフを利用することの利点があります。
1 速さ・時間・距離全ての要素が一つの図の中でとらえられる。線分図(状況図)では,言葉をそえなければ無理でしょう
2 線分図(状況図)との比較では,状況図にした場合,指導者によって異なる図が与えられます。それに対してグラフの場合は
,ある同じ問題に対しては,おそらく世界中の数学者がほぼ同じ図を描くでしょう。
 また,状況図の場合,一見どの問題も同じような図になってしまい問題との関係がわかりにくい。
 それに対してグラフは,
逆にグラフの形から問題が想像できるほどです。
3 グラフの形そのものが,必要な考え方を解く者に示唆してくれることも多い。つまり解法の暗記というより,
解法のヒントをグラフが与えてくれる
4 解法を身につけた後の応用力。
これもグラフ解の利点。
暗記中心の解法ではないということ,また,上の1.2.3からもおわかりでしょう。
 また,次にこれは速さの問題だけに限らないことですが,一体,中学入試の問題を作ってるのはどんな立場の人達か?ということ。

 塾の先生じゃないことははっきりしてますね。そう,ほとんどの学校では中高一貫で生徒の指導にあたる数学の先生達が作問者になっています。
 彼らは大学入試のプロであって中学入試のプロではありません。
つまり,「速さ」の問題で言えば「変化と関数」の延長上で問題を捉えていると言えるでしょう。
 実は,このことこそが中学入試「算数」問題の本質なのです。では数学を、方程式をやればいいのかというとそれも違います。
 速さを変化として直感的に捉えるツールとして視覚化可能な一次関数的グラフを想定しているということです。
 だから,グラフの利用は彼ら(作問者)の発想にかなり近づくものと言えるでしょう。

 美点ばかり挙げましたが欠点もあります。最大の欠点は深くは触れませんが,指導者側の問題です。
他には,身につけるまでの時間。
 はじめのうち,易しい問題はどうしても状況図で説明され,理解しますから,その次の段階にギャップを感じることがあるかもしれません。
 ただ,これもやはり指導者側の問題であるような感じもします。
 
ちなみに,私はグラフの利用は,「速さ」の問題から始めません。
 前段階として,速さ的要素を含む「文章題」で,まず,グラフに親しませることから始めます。

 とにかく,私の長年の経験と研究からグラフ解はベストの選択だと考えています。よき指導者とともにこの書を使っていただけることを願います。前書 引用終わり


 速さの問題というとみんなどんなイメージを持っているだろう。
難しい?苦手?残念ながらそんな答えが多そうだ。それは多分,覚えることが多そうだってきがしているからじゃないだろうか。
 確かに速さに限らずどんな分野でも最低限のことは覚えなければ一定以上のレベルの問題を解くことはできない。
 けれども,「速さ」に関しては覚えなきゃいけないことはあまりない。本当のことだ。

ただ,覚えたことの(覚えなきゃいけないことの)使い道がかなり広いのだ。
 それを全部覚えなきゃできないと思ってるのが,多分,「覚えなきゃいけないことが多い」っていう錯覚なんじゃないかな。 で,その,覚えなきゃいけないことのアウトライン(概略)を示してみよう。

これは公開するかどうか悩んだね(笑)。

 速さ のアウトライン

チョッと見にくいかもしれませんが,こんな感じです。
 テキストは,考え方やアイデアと,重要例題だけの構成になっています。
塾の教材または,市販の問題集と並べて使うこともできます。ある一つの考え方やアイデアに基づいた問題がいかに多いか,そして,どうしたらあらゆる問題を同じような視点で考えることができるようになるのか。
授業を通して,実際の問題を通して,その視点を身につけてもらいます。

* テキストは授業で無償配布しません。考え方のまとめなどは配りますが,授業そのものがテキスト内容そのものです。大まかに示すと、これだけなんだが,多いと感じるだろうか?
 ここで,たびたびグラフが登場するけど,
前書きでも触れていた事を繰り返そう。

 
グラフこそが,速さの3要素の全てを目で見て捉えられる大変便利なものだ。それだけじゃない。
状況図(直線図)と比べて,明らかにちがうことは,グラフを見ると問題文が自然に浮かんでくるようになる。
このことは,問題の復習段階ではすごい効果だ。
さらにだ,問題文をグラフに描けるとそれ自体が解法のヒントになる。破壊力抜群の解法ツールなんだ。
(抜粋終)
ただ,あくまでもこれはアウトライン。
問題を通してどう利用して,どう解いていくのか
を体感してほしい
平面図形 教材見本