数の論理の分野は次のように大きく6つの単元に分けています。
Ⅰ 素数・素因数・指数の規則・N進法
Ⅱ 約数と個数・平方数・因数分解
Ⅲ 公約数と公倍数・分数と約分因数
Ⅳ 倍数系・数の範囲・比分算の利用
Ⅴ 計算の工夫

それぞれの単元にいくつかの重要な基本ルールを含んでいます。他の算数の大分野のうち規則性と割合との関連が強いですが,規則性同様,独立分野の色が濃いので,得意分野とするには一定のセンスが必要かもしれません。
 テキストの大目次,そうですね,比較的大問になりやすいところで
Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ章を載せておきます。
Ⅲ 公約数と公倍数・分数と約分因数・・・数論系の問題をあつかいます。分数と約分因数の解法はぜひ身につけましょう。頻出です。
 1 最大公約数の意味と求め方
 2 公倍数・最小公倍数の求め方
 3 最小公倍数・最大公約数  
 4 分数の範囲と約分因数
Ⅳ 倍数系・数の範囲・比分算の利用・・・ここも小問でとりあげられそうな問題特集です。
比分算の利用については復習範囲です。
 1 特別な倍数の見分け方
 2 除法の商と余り[Mod]
 3 数の範囲と不等号・数直線
 4 比分算の利用( 循環小数・小数,分数と割合・位の考え方等)

Ⅴ 計算の工夫・・・計算問題をあなどってはいけません。
複雑そうに,根性っぽく見える問題ほど何かが潜んでいます
逆にそれが見えない問題には計算といえ手を出してはいけません。他分野のおいしい問題を犠牲にしてしまいます。とにかくこの章の問題だけでも工夫を味わいましょう。
 1 素因数分解を利用した計算工夫
 2 因数分解公式の利用
 3 分数計算の工夫
 比較的,多いこれらの内容をどんな手順で,どう整理し身につけるか。
 通りいっぺんの学習では無理だと思います。また,最大の問題点は各分野の初学段階がどの塾でも比較的早い時期から取り入れられることです。有利なことと思われるかもしれませんがそこに大きな落とし穴があります。
 おそらくその段階で(4・5年)完全に理解するのは平均知的能力以上でも無理です。
数に関する問題に関しては,どうしても一定以上の成長度が欠かせません。それをふまえての学習なら忘れることのストレスはたまらないでしょう。繰り返しの意味もまた変わってきます。
 初学段階での躓きをあまり気にしなくてもかまわない分野だってことです。というか出題側のないものねだりの極みです(笑)
 では,いつごろからなら深く理解できるのか?
私の経験では,6年生の夏明けより後の時期がこの分野の集中学習(体系的に学習すること)にはベストだと思います。
 遅い子では冬になってから面白がって解く子も。それでも女子御三家に受かっていくという。(笑)早ければ良いというものではありません。
 どこかで書きましたが学習を進めるうえで成長とのリンクが欠かせないという話です。特にこの分野は初学段階では,かなり軽く扱う程度で構わないということ。その時期に徹底しなきゃいけないことはもっと別のことです。もしくは扱い方を計算レベルに制限するとかの工夫が必要でしょう。
 で,最終段階(話がかなりとんでしまいましたね(笑))では,上の大目次をさらに細かく分類したもの(小見出し)をチェックリストとして用います。例えばⅠ章の
Ⅰ 素数・素因数・指数の規則・N進法 の 
4 指数の表し方・指数の規則と整数の積分解 では,
⓵ 合成数の指数表現
⓶ 1×2
×3×・・・・・×50(50!)を素因数分解・指数を使って表す
⓷ ⓶は0が何個並ぶか。そのわけは?
④ ⓶で最初の0の直前の数は何か。
⑤ ⓶は2や3や12で何回割り切ることができるか。
⓺ ⓶を割り切ることができない最小の数は
⑦ 5×10×15×・・・×250を素因数分解・指数を使って表し⓶との違いを説明せよ。
⑧ 21 22 23 24 25・・・ ,31 32 33 34 35などの数には周期的特徴があるという。それを説明せよ。

 これを,いったん体系的に学ばせた(授業です)あと,しばらくしてから自力でチェック作業します。
それが当該分野全体を通してできて初めて数の論理は一通り,最低限の部分はできたねってことになります。
おそらくそれ以前のレベルで過去問云々は,時間の無駄・空回りの繰り返しになります。