算数は大きく7分野に分けています。
1. 割合・文章題
2. 速さ
3. 平面図形
4. 立体図形
5. 規則性と推理
6. 数の性質
7. 場合の数


 学力の加速化 のページでも説明しましたが,算数には,全体を支配する基本ルールがいくつかあり,

これを徹底しないまま進むと、他の分野はどれほどの時間をかけたとしても理解があいまいのまま、そして繰り返すたびに、同じ間違いを何度も繰り返すことになってしまうのです。
 全ての分野に共通する基本ルールを徹底して学習すること,そしてこの段階を決して中途半端に終わらせることがないように最も多くの時間をかける必要があります。
 
では一体,どんなことが「基本ルール」にあたるのでしょうか。
 
1 割合と文章題

 
 一般的な参考書や塾教材のカリキュラムは「〜算」をベースに組み立てられています。ですから授業も例えば,「これは倍数算の〜なパターンだから〜の解き方をしよう」というような具合に進行します。
 しかし,入試問題は算数を研究しない中高一貫の大学入試のプロが作ってくるものですから,そこに根本的な発想のズレがおこってきます。極端な言い方をすれば「正の数の解」になるものは全て素材になるというような発想で問題を作ってきます。
 「〜算」をベースにした暗記による解法が通用しない危険性があるわけです。

   割合と比・文章題の目次構造をご覧下さい。



 最初の@〜D は割合と比を学習する上で,最低限必要な計算技術を,主にまとめたもので,テキストのT章にあたります。
上のチャートはU章の最初に書かれています。
 これから学習すること,またはすでに学習したことの,内容の関連性を表したものですが,それだけではありません。
 
解法の共通性でくくった分類になっています。
 基本ルールの特徴の第一は,旅人算・鶴亀算・差集め算・仕事算・ニュートン算などの様様な分野を「〜算」として個別に捉えるような姿勢から解放された、
共通の方法論・解法ツールで問題を捉えていく方法論だということです。
 従って、初めはかなり時間がかかりますが、この捉え方ができるようになると、
子供の意識下にはその問題が「何算」なのかの意識はなくなり,また暗記的な学習法からも解放されることになり積極的に難しい問題にチャレンジしようという姿勢も出てくるようになります。

 
上のチャートの簡単な説明を加えます。

(1) 比分算系 (私の造語です。昔は分配算と言っていました)
 一番の柱は左上です。これは,
条件中に現れるそれぞれの要素の割合関係(例えばA君B君の所持金など)の基準が1種類または未知数が1種類もしくは差が読み取れる」タイプの全ての問題を指します。
 (簡単に言いますと,何かを@と置けば,他のものが@の倍数として,または差として表わすことができるということです。)  
ですから,いわゆる「〜算(和差算・分配算・相当算・還元算・仮定算・年齢算・倍数算等)等の一般的分類」を大きくくくったような名称と考えていいと思います。
 算数では,素材が何かと言う観点で「算」が決められます。年齢をあつかえば年齢算です。
ところが,素材イコール解法になるのは典型基本問題ぐらいで,ちょっと進むと,素材が解法に結びつかなくなります。
 ですから,素材よりも,「条件の共通性」でくくる必要があるわけです。
 生徒達には普段から「素材をはなれて,条件を読め」と言っています。暗記から解放された解法こそが本当の意味で思考力・応用力を鍛えます。
 入試の当日,見たこともない素材の問題に出くわしたら?と考えるとおわかりでしょう。
素材をはなれて,条件を読め」忘れないようにしましょう。
ただし,全く「〜算」方式を無視しているかというとそんなことはありません。
 例えば「食塩水」の範囲なら「食塩水」だけに集中して学習しますが,それはあくまでも一つの「素材」に限定しているだけで,
その中で利用される解法はけっして「濃度算(笑)」なるものではありません。
 やはり通常の文章題と同じように,「条件分析」→「解法の方向性の決定(3方向のうちの)」→「解法」となります。
 そして,その解法の方向性というのもけっして食塩水だけに限定されるようなものではなく,「平均」の考え方を使う問題全て, 物理・化学の分野にも多いですね,に使えるものだという意識付けを前提としています。

基本ルールの特徴の第二は,解法のベースが暗記ではなく,文章条件の表現にあることです。ですから,条件中に現れるそれぞれの要素の割合関係(例えばA君B君の所持金など)の基準が1種類または未知数が1種類もしくは差が読み取れる問題は全て比分算系として同じ扱いをします。 分野を問いません。
例えば,次のような問題も条件をよく読むと比分算系に含まれます。
@11+14+17+…・・+41の計算をするのに,1箇所+の記号をぬかして,4けたの数として計算すると3157になる。どの数の後の十をぬかしたか。
A 
みかん何個かを1人につき5個ずつ配ると10個余り、この人数の3倍よりも5人少ない人数に、1人につき2個ずつ配ると8個不足するという。もしもこのみかんを1人に6個ずつ配るならば何人に配ることができるか。

B) 今までに8回のテストを受けていて,今度のテストで87点を取ると平均が前回までの平均より5%だけ上がる。新しい平均は何点になるか。
 これらの例は「〜算」的には全て異なる分野の問題ですが,「基本ルール」は同じです。
 おわかりでしょうか。
 で,大事なことは,もちろんこういった指導方針のもとでしっかりと復習を重ね・・・というのが普通の先生でしょうが(笑),もちろんその程度のことなら誰でも言えることなので言いますが,そんなことではないんです。
 仮に今,表の左列の学習がそこそこ進んだとしましょうか。(多分多くても1ヶ月程度の時間でしょうか)
 その段階でやれるようにならなければいけないことがあるんです。で,これは小学生・中学生・高校生・浪人生(笑)を問わずに
やらなきゃいけないことなんですが,まず自分から進んでやる子はいません。だから私がやらせるんですが。
 まず,何も書いていない紙を用意して・・・
 ご想像下さい。HPの随所に答えがありますので。
 
(2) 消去算系
 次の柱は右上です。ここからは,ちょっと端折ります。
条件中に現れる二量間の割合関係や差が読み取れない問題。未知数が2種類以上であるタイプの全ての問題を指します。(ただし次の「速さ系」との重複があります。)
  この意味で,つるかめ算・差集め算(過不足算)タイプの問題を含んでます。
上の(1)比分算系 問題との決定的な違いは,・・・種類です。 
     いろいろなタイプの問題がありますから,学習したものを,このチャートに位置づけしてすぐに思い出せるようにしておくことが大事です。

(3) 速さ系
条件中に現れるそれぞれの要素に速さ系三要素関係が読み取れる」問題。

  割合系の問題であると同時に,グラフを利用するなど,速さの問題とも捉えることができる問題はかなり多いです。
  例えば,仕事の量の問題・ニュートン算・水量変化・料金・ばね・ろうそくの問題などがこのタイプの問題にあたります。それ以外に,上の(2)の「つるかめ算・差集め算(過不足算)」の初歩的な問題も速さ系の解法が通用します。

(4) (1)〜(3)を複合的に利用する分野 和差比系の推理問題

 
平均の問題 濃さの問題 売買の問題 そして図形問題全体
それぞれが初歩的な段階での解き方があって,それがレベルアップを邪魔するところでもあります。
食塩水なども,どんな問題もビーカーの図を描いて解こうとしている生徒を見かけます。

 割合と比・文章題の分野は算数全体の考え方の核となる大きな分野の一つです。
基本ルールを多く含みます。
 ですから算数を得意科目したいのなら,この範囲を,合理的体系的にマスターすることが必要です。


チョッと見にくいかもしれませんが,こんな感じです。
テキストは,考え方やアイデア(上のチャートを章ごとにまとめたもの)と,重要例題だけの構成になっています。塾の教材とまたは,市販の問題集と並べて使うこともできます。
ある一つの考え方やアイデアに基づいた問題がいかに多いか,そして,どうしたらあらゆる問題を同じような視点で考えることができるようになるのか。
授業を通して,その視点を身につけてもらいたいと思います。
また、他分野も同じですが、テキストの大目次および小見出しを最終段階でのチェックリストとして利用しています。

興味ある方、お問い合わせください。PDFにて送ります。
*授業ではテキストの配布はしていません。授業そのものがテキスト内容そのものだからです。

チャート・考え方のまとめは無料で配ります。
 大事なのは,もらって安心じゃないですよ(笑),自分の中に消化することですからね。
 *どんな噂かわかりませんが,効果はテキストの効果じゃないですよ。自分で作って腐すのもなんですが(笑) 
 それを紙一枚にどうまとめ,どう消化し,どうやって点数に反映させるかなんです。